1. 立体配座網羅的な遷移状態探索による選択的反応の機構解析

天然物合成で使われた立体・位置選択的反応の機構解析を行います。遷移状態のわずかなエネルギーの違いによって生じる選択性の解析を行うために、立体配座網羅的な遷移状態探索法の開発を行います。

立体配座網羅的な遷移状態探索による選択的反応の機構解析

2. 遷移状態計算による合成経路設計を活用した天然物の合成研究

遷移状態計算を用いて設計した合成経路に基づき、天然物合成を行います。特に、極性官能基が密集した複雑天然物であるアミノイミダゾールアルカロイド類を標的とし、効率的な骨格構築法開発と全合成を目指します。

立体配座網羅的な遷移状態探索による選択的反応の機構解析

3. 計算化学的手法による天然物の構造決定

分光学的手法では決定困難な天然物の構造を、ECD計算やNMR計算により決定します。精度の高い分光学的データの計算を目指し、天然物の配座多様性を計算化学的に再現できる配座解析の効率化にむけた研究を行います。

立体配座網羅的な遷移状態探索による選択的反応の機構解析

4. 大環状天然物を基盤とした構造簡略化分子の設計と合成

柔軟な配座をもつ生物活性大環状ポリケチドや中分子ペプチドを対象として、配座解析に基づく構造簡略化分子の設計と合成供給による機能分子の創製を目指します。

立体配座網羅的な遷移状態探索による選択的反応の機構解析

5. 計算化学を支援するプログラムの開発

立体配座の多様性に由来する膨大な計算データを効率的に処理するPythonライブラリー(ACCeL)を開発しています。

立体配座網羅的な遷移状態探索による選択的反応の機構解析